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弊社は株式会社ウォークアンドドロー(英名WAKK&DRAW)の名称で事業を運営していますが、先日WALK&DRAWの名称を商標登録完了しました。商標には分類がありますので、弊社では主にデザイン業務における領域をまかなえる2分類(第35類、第42類)において商標権を取得しています。
デザイン業務における商標というと、何かオンライン上でサービスを展開している場合はもちろんですが、弊社の場合は主に事業活動を円滑に行うため、第三者からの保護する目的で取得しています。弊社のような受注業務がメインの場合でも自社の名称を事業で使えなくなるというリスクがあるのが商標権ですので、しっかりと名称は保護しなければなりません。
昨今SNSの影響もあり、個人、法人に限らず名前をかかげて事業を行う方は第三者に同じ名前を使用されるリスクを抱えています。またそれは、せっかく思いを込めた大切な名前が事業で使えなくなることも意味します。そんな悲しい自体に陥らないために、商標について学んでいきましょう。
商標とは?ビジネスにおける商標の重要性とメリット
商標とは、製品やサービスのオリジナリティを示すための一種のシンボルです。企業や個人が提供する製品やサービスを他の競合から区別し、それらがどこから来ているのかを顧客に知らせる役割を果たします。しかし、商標の概念はそれだけではありません。それは、あなたのビジネスのブランドアイデンティティ、つまりあなたのビジネスが何であり、何を提供しているのか、そしてそれがどのように他のビジネスと異なるのかを示す強力な道具です。
では、商標登録のメリットは何でしょうか?
ブランド保護
まず最も明確なメリットは、あなたのブランドを法的に保護することです。商標登録を行うことで、他の企業が同じまたは類似した名前やロゴを使用することを防ぐことができます。
事業の価値向上
商標はビジネスの資産であり、時間と共にその価値は増す可能性があります。ブランドが認知度を上げ、信頼性を築くと、商標は企業の価値を大きく向上させます。
顧客の信頼獲得
商標登録は、顧客に対して企業がその製品やサービスに自信を持っていることを示します。これは、顧客があなたの製品を他の競合製品と比較したときに、信頼性の高い選択肢と見なすための要因となります。
独自性の強調
商標は、あなたの製品やサービスが一貫して高品質であり、あなたのビジネスがその製品やサービスに誇りを持っていることを顧客に示す手段です。これは、市場での競争優位性を高めるために不可欠な要素です。
以上のように、商標は企業が自身のブランドを保護し、価値を向上させ、顧客の信頼を獲得し、独自性を強調するための重要なツールです。これらのメリットを活用することで、あなたのビジネスは競争力を維持することができます。
商標におけるトラブルとその解決策
商標はビジネスにおける重要な資産ですが、誰でも手続きを踏めば取得できるので、それがトラブルの元になることもあります。一般的な商標トラブルとその解決策について、以下に詳しく解説します。
商標侵害
商標侵害は、他の企業や個人があなたの商標を無許可で使用し、その結果あなたのビジネスに混乱をもたらすまたは損害を与える行為です。商標登録は先願主義ゆえに、商標登録をせずに使用していた自身の名称が、ある日第三者により同名称を取得され、知らぬまに自身が商標侵害を犯してしまうこともあります。また昨今では第三者の悪意ある商標出願によるトラブルも起きています。解決策としては、まず何より使用したい名前がある場合は商標出願をし、仮りに権利を持っている商標の侵害が起こった場合には、侵害者に対して警告書を送付し、無許可使用の停止を求めます。それでも改善されない場合は、弁護士を通じて法的手段を講じることが必要になるでしょう。
商標偽造
商標偽造は、他の企業や個人があなたの商標を模倣または偽造し、それを使用して自社の製品を売る行為です。解決策としては、侵害者に対して法的措置を講じることが必要です。また、消費者に対して正規の製品と偽造品を区別する方法を広く伝えることも効果的です。
商標紛争
商標紛争は、他の企業や個人があなたの商標の登録を阻止したり、自社の商標があなたの商標に侵害されていると主張するケースです。解決策としては、まず弁護士に相談し、その後適切な法的手続きを行うことが必要です。
これらのトラブルを防ぐためには、商標の登録と保護に十分な注意を払い、商標権に対する理解を深めることが重要です。また、問題が発生した場合は早期に対応し、必要なら専門家の助けを求めることが重要です。
商標権取得の手順と必要な手続き
商標権の取得は、自社のブランドや製品を保護するための重要なステップです。以下に、商標登録の申請から権利取得までの具体的な手順を解説します。
1. 商標の選定
自社の製品やサービスを象徴する商標を選定します。商標は、文字、図形、ロゴ、スローガンなど、様々な形を取ることができます。商標には分類がありますので、ご自身の事業やこれから展開される予定の領域を含めた分類選択が大事です。分類の一覧は外部サイトになりますがこちらの記事に詳しく記されていますのでご参考ください。
2. 事前調査
すでに同様の商標が存在しないかを確認するために、事前調査を行います。これは、後々の紛争を避けるために重要なステップです。独立行政法人 工業所有権情報・研修館のホームページ内の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)において自身でも事前調査は可能です。ただし、実際の商標登録の可能かどうかの判断は素人にはなかなか難しいものがあるので、弁理士や弁理士を要するオンラインサービスなどに頼ることもひとつの手です。弊社では事前調査を自身で行った上で名称を決め、その後登録の可能性含めた判断をオンラインサービスのToreruにて調査、出願、登録まで代行していただきました。
3. 商標登録出願
経済産業省特許庁に商標登録申請を行います。必要な書類を準備し、申請料を支払います。(弊社は代行申請していただきました)
4. 審査プロセス
特許庁による審査が行われます。これは、あなたの商標が商標法の要件を満たしているかを確認するためのものです。弊社の場合は2023年1月に出願し、7月に審査を終え登録されました。
5. 登録証の発行
審査が通ると、商標登録証が発行されます。これで、あなたは法的に商標の使用権を得ることができます。
6. 維持管理
日本の商標の登録では5年と10年間の期間を選ぶことができ、その後は更新手続きを行う必要があります。
商標権の取得は、自社のブランドアイデンティティを保護し、競争からの差別化を図るための重要な手段です。正しい手順を踏むことで、スムーズに商標登録を行うことができます。
商標取得までの費用
弊社はWALK&DRAWという名称を第35類、第42類の2分類登録しています。商標取得までに要した費用は以下の通りです。ご依頼される弁理士さんや、オンラインサービスにおいて費用は一部異なりますのであくまでご参考としてご覧ください。個人的には当初想定していたよりは費用はかかりませんでした。
調査手数料:¥10,780(税込)
出願手数料:19,600(税込)
印紙代(出願時):¥20,600(税込)
印紙代(10年分):¥65,800(税込)
デザイナーが意識すべき商標権とその重要性
デザイナーにとって商標権の関わる分野は主にブランディング、ネーミング、ロゴ制作になるでしょう。しかし、デザインの現場で商標権について学ぶ機会はあまりないので、これを機会に理解し、ネーミング、ロゴ制作する際に意識してみてください。以下に、デザイナーが意識すべき商標権について詳しく解説します。
商標の調査
新しいブランドを立ち上げに関わる際に、まずネーミングがあります。デザイナーとはいえ、ネーミングから依頼を受けることも多々あります。独創的なネーミングを思いついたと思っても、クライアントに提出するまえに、まずは自身で事前調査をすることが大事です。そして商標権はネーミングのみでなく意匠にもありますのでロゴデザインで良い案を思いついた時には作成する前に、既存の商標を調査することも重要です。これにより、他の企業の商標を無意識に侵害するリスクを避けることができます。注意すべきは、シンプルなロゴタイプではいくらオリジナルであっても意匠登録できないことです。また、商標には分類がありますので、事前に事業領域などの確認は必須となります。
自身のデザインの保護
自分の作成したロゴデザインが他者によって無断で使用されないようにするためには、自身のデザインを商標登録することが考えられます。これにより、あなたのデザインは法的に保護され、他者がそれを無断で使用することを防ぐことができます。ただし、著作権と商標登録は全く違いますので混同しないように注意しましょう。
商標使用の許可
他人の商標を使用する場合は、必ずその所有者から許可を得ることが必要です。許可なく商標を使用すると、それは商標侵害となり、法的な問題を引き起こす可能性があります。
デザイナーとして商標権を理解し、それを意識することは、あなた自身の作品を保護し、仕事を進める上で法的な問題を避けるために必要不可欠です。自身の権利を尊重し、他者の権利を尊重することで、デザイナーとして恥ずかしくない行動を心がけましょう。
最後に
デザイナーにとっても大切な商標登録について簡単ながら解説しました。悪意のあるなしに関わらず、事業運営において無用なトラブルを回避する上でも、商標の適切な知識を身に着けることが大切ですね。
弊社ではブランディングの際にネーミングからロゴ制作も担うことがありますが、必ず商標について確認をしながら制作業務を進めますので、ご依頼にあたってはどの企業様も安心してご依頼いただけますと幸いです。
今後とも株式会社ウォークアンドドローをよろしくお願いします。


前回の記事に続き、今回はWEBサイトと撮影費について。
WEBサイトがどのような仕事で構成されているか、写真一枚撮るのにどれだけの人が関わっているのか等少しでも知っていただけるように紹介していきます。既に説明不要な方は、弊社のデザイン料の設定及び契約の方法についてをご覧ください。
WEBサイトの制作と運用に必要な主な要素
WEBサイト(ホームページ)を作る際、運用する際の、主な工程と必要となる契約等を紹介します。デザインの構成に関する説明は上記のデザイン(紙媒体)の主な構成をご参照ください。
ドメイン・サーバーの契約
まずウェブサイトの住所にあたるドメイン、土地にあたるサーバーを各ドメイン及びサーバー会社と契約します。ドメインはドメインの種類、契約年数、サーバーはサーバーの容量等で値段が変わります。
サイトマップの制作
サイトマップとはサイト全体のページ構成を地図のように一覧で記載しているページのことです。サイトのデザインを始める第一歩として、どのような順序でページを辿っていくのかを決める作業です。
ワイヤーフレームの制作
写真、テキストなどの情報要素を「どこに・どう配置するか」を設計することで、構成の骨組みとなります。構成の内容をクライアントと確認する上で齟齬が内容確認するためにも大事な工程です。
モックアップとワイヤーフレームの制作
色や装飾、フォントなどワイヤーフレームをベースにデザインしていきます。デザインの検証に用いるのがモックアップ、モックアップに動きをつけて操作性の検証に用いるのがプロトタイプです。
コーディングの制作
デザインが出来上がり、モックアップやプロトタイプでの検証がおわればコーディングに入ります。通常のホームページにおけるコーディングとはマークアップ言語のHTMLとデザイン面を整えるCSS、動きのあるウェブサイトに必要なJavascript、Wordpressに使用するPHPなどが主となります。またウェブアプリケーションを制作する場合は、この他にruby on railsなどを使用することがあります。
保守管理
ウェブサイトはデザイン・コーディングを終えて終わりではありません。情報の更新、運用後にでてきた問題に対する改善、外部的要因のセキュリティ対応や各種アップデート対応など、時間とともに変化する環境に合わせて調整していく必要があります。
動画の制作
ウェブサイトと紙媒体の大きな違いは動画を掲載できることも一つです。写真やテキストでは表現しきれない内容を動画を通して伝えることも大切になるでしょう。Youtubeなどの動画投稿サイトにて投稿した動画を自社のウェブサイトに載せたり、トップ画面に写真の代わりにイメージ動画を背景で動かす仕様のサイトもあります。
SNSの活用と連携
各種SNSを使用してウェブサイトへの入り口づくり、またはLINEを活用した申し込み先の分散などSNSとの連携で顧客を集客するのも大切な要素です。ただし、SNSの活用には倫理感を持って望むことが大切です。せっかく作り上げた企業イメージを、SNSの運用一つで台無しにしてしまう事例も多々見受けられます。運用ルールを明確にしておくことが大事でしょう。
広告の運用
SNS広告やadsenseなど各SNSが提供している広告枠やgoogleの提供している広告枠に自社のサイトの広告を出して宣伝することも大事になります。特に、ショッピングサイトなどB to Cサイトではより多くの方に知ってもらう機会づくりが必要になります。
写真・動画撮影費の内訳
写真や動画は顧客にイメージを伝えるためな重要な要となります。一枚の写真が出来上がるまでに、関わる人や必要となる費用を紹介します。
カメラマン
紹介するまでもなく、写真・動画を撮る人です。フリーランスとして一人で活躍される方もいれば、アシスタントを複数抱えて大きな案件に関わる方もいます。大掛かりな撮影ではカメラマンを2名起用する場合もあります。イメージ撮影の場合は1日単位の撮影費、物撮りの場合は点数によって費用が変わります。遠方の場合は交通費や宿泊費も必要です。
スタイリスト
物のスタイリスト、フードスタイリスト、ファッションスタイリストと撮影内容に応じて、専門のスタイリストを起用します。ジャンルを横断的に活躍される方もいれば、専門に特化した方もいます。写真の世界感を作り出す重要な役割です。主に1日単位のスタイリスト費、物やフードのレンタル費用、運送費などが別途必要です。遠方の場合は交通費や宿泊費も必要です。
ヘアメイク
モデルを伴う撮影時にモデルの髪やメイクアップを担当する役割です。一日単位のヘアメイク費と、遠方の場合は交通費や宿泊費も必要です。
モデル
主にファッション撮影、各種イメージ撮影においてモデルを起用することもあります。一日単位のモデル費、また契約時の試用期間を超える場合は更新費用などもかかります。使用用途、使用期間を明確にして契約することが大切です。遠方の場合は交通費や宿泊費も必要です。
撮影スタジオ
撮影する場所です。白い空間で背景になにもない白スタジオ、空間の個性を活かしたハウススタジオと大きく2つに分けれます。時間単位での契約となり、最低使用時間が決まっている場合がほとんどです。依頼するカメラマンさん所有の自身のスタジオを借りることもあります。スチール撮影、動画撮影によって時間単価に変動があります。
アートディレクター
ここでいうアートディレクターの役割は撮影全体のイメージづくりの指揮をとります。クライアントとのヒアリング、各制作陣への指揮とイメージ共有する役割です。
感材費
主にフィルム撮影においてのフィルム代、印画紙代、現像代などの費用の総称です。昨今ではデジタルカメラでの撮影が主流のため少なくなりましたが、現在もデジタルでは出せない作家性を持つカメラマンさんに依頼する場合は、1日あたりの撮影費と別に感材費が必要です。
動画編集作業
動画の撮影した場合は動画の編集が必要です。予め決められた絵コンテを基に撮影を行い、編集を行う場合もあれば、ドキュメンタリー的に撮影して決められた時間に収めたり手法は様々です。カメラマンが編集者も兼ねる場合、撮影と編集が別れている場合もあります。費用は予めその難易度によって決めておくのが一般的です。
マネージメント費用
主にカメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、モデル、スタジオのブッキングからスケジュール管理などを行い、撮影時の進行管理などを行います。経験上デザイナーが行う場合が多いですが、クライアント自身で行う場合もあります。
フードの手配
撮影は長時間の及ぶことが多々ありますので、撮影スタッフの食事の手配を行うこともあります。基本的には撮影費用の内マネージメント費用として請求することが一般的です。
旅費交通費
各撮影スタッフを遠方から呼ぶ場合、または制作陣が遠方に遠征する場合は交通費、宿泊費が必要です。基本的には撮影費用の内マネージメント費用として請求することが一般的です。
ストックフォト
こんなイメージ写真がほしいけれど、撮影費用はかけられないという場合に便利なのがストックフォト(連ポジ)です。使用サイズ、サブスクリプション契約、または一部無料など様々な料金設定がありますので用途に合わせて選べます。
終わりに
前回の記事からこの記事でデザインの構成、ロゴ、WEBサイト、撮影に関して説明してきました。実際制作に立ち会わなければ、一枚の絵に対してどうしてこんなに費用がかかるのか疑問に思うこともあるかと思いますが、今回の記事が少しでも理解をいただく一助になれば幸いです。
次の記事では弊社のデザイン・ブランディング費用について簡単ながら説明させていただきます。
これからも株式会社ウォークアンドドローをどうぞよろしくお願いします。


株式会社ウォークアンドドローのウェブサイトでは、デザイン料の目安となる金額表を掲載しております(これはデザイン事務所では稀な事です)。
実際のところデザインの制作料金というのは外からみると不明瞭なことも多く、なぜこの金額になるんだろうと思われることも多いでしょう。また、金額が掲載されていない事で、依頼する上で不安を覚える方も多いかと思います。そういった疑問や不安な点を少しでも解消いただけるよう可能な限り説明していきます。デザインと呼ばれるものが、どのような制作工程を経ているのか、またはどのような仕事で構成されているのかをまず知っていただくことが大事だと考えています。今回の記事では主な制作工程、一つのデザインがどのような仕事の集まりで構成されているのかを紹介します。既に説明不要な方は、弊社のデザイン料の設定及び契約の方法についてをご覧ください。
デザイン(紙媒体)の主な構成
デザイン費用について知るために、デザインがどのように構成されているのか説明します。まず紙媒体の場合の主な構成は内容です。
構成・編集
何を訴求するか、何を顧客(または読者)に伝えたいのかといった媒体を制作する上で起点となるのが構成です。その内容をどのような形で伝えるのかを考案するのが編集です。
アートディレクション
構成や編集を元に、ビジュアルの方向性を示すのがアートディレクションの役割です。伝えたいことのために、どのような写真やイラストにするか、レイアウトをどのように組み立てていくかを考えます。
デザイン(レイアウト・グラフィック)
構成や編集を元に、ディレクション方針に従って、写真やコピー、イラストを用いて、情報を整理してわかりやすく魅力的に伝える役割です。
写真
製品・サービスであれ訴求する際のイメージを顧客と共有し、ひと目で理解・共感を得るための役割を担うのが写真です。写真にはクライアントから提供いただく場合、新たに撮影する場合、レンタルポジ(ストックフォト)の大きく3パターンに別れます。
コピーライティング
製品・サービスの訴求点を一言で表すキャッチコピー、詳細を伝える本文、写真などの補足をするキャプションに別れます。コピー・テキストにはクライアント自身で書いていただく場合、コピーライターに依頼する場合と大きく2パターンに別れます。
イラストレーション
言葉や写真では上手く伝えられない説明や撮影が難しいシチュエーション、要となるキービジュアルを担うのがイラストです。イラストはイラストを新たに描く場合、ストックイラストを使用する場合と大きく2パターンあります。
印刷・プリンティングディレクション
紙媒体ですので、最終工程は印刷です。紙媒体といえど、パンフレット、DM、チラシ、ポスター、ダンボールなど幅広くあります。印刷費は納期、紙の種類、印刷部数、校正の有無(本紙校正・簡易校正)、特色の使用、など条件により大きく値段が変動します。昨今よく利用されているネットプリント、通常の印刷会社どちらにも利点があります。こだわりや難易度の高い印刷物にはプリンティングディレクションを担う役割も含まれることがあります。
上記のように、一枚(または一冊)の紙媒体に多くの技術が関わっています。プロジェクトの難易度によってデザイナー一人で遂行することもあれば、各専門職(カメラマン・イラストレーター・コピーライター等)とのチームを編成して制作にあたる場合があります。
ロゴマーク・ロゴタイプの制作工程
次にロゴマーク、ロゴタイプのデザインの制作に含まれる工程を紹介します。ロゴの制作はブランディングに関わることですが、ここではあくまでロゴ実制作に関わることのみ記します。
コンセプトワーク
ロゴを作る前に、まずコンセプトワークをします。クライアントとのヒアリングを基に、ロゴに内包する意味合い、目的など、ブランディングに沿ってコンセプトをまとめます。
ネーミング
まだプロダクトやサービスに名称がなければネーミングを考えます。プロダクトの役割、サービスに込めた想いなど、コンセプトワークに沿った形で考えます。注意すべきは商標登録の有無です。どれだけ素敵なネーミングができても、予定している事業の分類で既に同じ名称や似た名称が商標登録されている場合は使用ができません。トラブルの基になりますので、商標登録のことも頭に入れておきましょう。
ロゴタイプの制作
ロゴタイプとは、社名や商品名などを表す文字のデザインです。既製のフォントから組む場合も、一から作字する場合もあります。
ロゴマークの制作
ロゴマークとは、ブランドを識別するためのシンボルです。企業やプロダクトの理念を基に、ブランディングに沿った形で作られます。VIの要ともなります。ロゴマークに関しても、類似の形状の意匠が商標登録されている場合は使用ができません。単純図形の組み合わせや、人気のモチーフを基にしたマークの場合、既に他社で使用されていることもあるので、制作前の段階で調査する必要があります。
レギュレーションの制作
ロゴタイプ、ロゴマークの仕様書です。色、最小サイズの設定、ロゴ周辺の余白、ロゴマークとロゴタイプの組み合わせの決まりなど、ロゴを使用するにあたりの決まりごとを作ることで、誰がどの媒体に使ってもロゴのイメージを損なわないようにするためのものです。
終わりに
簡単ながら、一枚一冊のデザインに含まれる構成内容、ロゴの制作工程について説明してきました。次回の記事ではWEBサイト、撮影費用に関する説明を行います。
これからも株式会社ウォークアンドドローをよろしくお願いします。